群馬県富岡市内の住宅型有料老人ホーム内で入所者の80代女性2人の顔を殴ってけがをさせたとして傷害罪容疑に問われた元ホーム職員(介護福祉士)の判決公判が9月20日、前橋地方裁判所高崎支部であった。裁判官はこの日、「認知症で意思疎通を欠く状況にあった入所者に、一方的に暴行を加えたもので、職責を忘れた犯行で強い非難に値する」として、懲役1年6ヵ月・執行猶予4年(求刑・懲役1年6ヵ月)の有罪判決を言い渡した。
判決によると、介護福祉士資格をもつ被告は、2013年12月から勤務。埼玉県深谷市内の株式会社FTD管財が運営する住宅型有料老人ホーム「ウェルネステラス富岡」で今年5月4日午後7時20分ごろ、認知症を患う女性入所者(87)が汚れた服の着替えを拒んだことに腹を立て、顔面をこぶしで殴って、まぶたを内出血する全治1週間の軽傷を負わせた。さらに5月30日には要介護5と認定されている別の女性入所者(84)の顔面を殴り、鼻の骨を折るなど全治30日間の重傷を負わせた。
今回の虐待傷害容疑発覚のキッカケは5月31日、「老人ホームで虐待がおこなわれている」という容疑者とホームを名指しする匿名通報を受けた富岡市当局がホームを現地調査。実際に女性の顔のあざを確認したことから、群馬県警富岡警察署に6月8日までに通報。7月4日に傷害容疑で逮捕されていた。
ちなみに被告は5月29日夜から30日朝まで勤務し、夜勤は2~3人態勢でなされていたという。ホームによると、当人の勤務態度に特段の問題はなく、職務・待遇などに不満を漏らすことはなかったが、介護サービス提供中に雑なところがあったともされる。当時の当人はホームの聞き取りのなか虐待事実を認めないまま、6月30日付で「虐待の犯人と疑われた」などを理由として依願退職していた経緯もある。
今回の地裁裁判では、被告側は起訴された内容を大筋で認めて執行猶予のついた判決を求めたのに対し、検察は懲役1年6か月を求刑していた。この日の裁判官は「認知症を患う入所者が周囲の働きかけを認識することができないのは明らかで、介護士として当然そのことを前提に行動すべき職責があった。動機は身勝手で短絡的で、一方的に暴行を加えた卑劣な犯行」などと指摘。その一方、執行猶予の理由については「被害弁償をし、反省の態度を示している」などと述べている。
(記事引用:ケアマネタイムス様)
コガソーシャルファクトリィ、古雅紗那です。
この案件なんですけどね、最低限の料金で入れる普通の老人ホームではなく、あくまでも、有料の老人ホームで、施設側はそこそこ儲けているホームではあるようです。しかして、職員待遇や様々な施設のグレードアップ等には繋がってはいないような気配です。
そして、発覚したのは、匿名の電話連絡、これはまず間違いなく内部の告発です。
しかして、施設名ならばともかく、容疑者まで特定して通報するとはかなりの事です。
普通の職員はこんなことはしません。相当に施設側に不満を持っている事がうかがえます。
さらに、おそらく様々な手段で発信を続けていたでしょうが、効果が無く、当たり前の義務として通報したという事でしょうか。事件発覚前後は、犯人探しや内部で相当もめたことが漏れ伝わりますね。当然です、施設の平和が乱されたのですから。血眼になって様々やったでしょうね。
また、被告への施設サイドの証言から「さもありなん」な施設の内情を示していてここもやはりそうか、と、守らない責任者、守らない職員、守られない利用者様。悲劇のテンプレートに見事に乗っていますね。哀しい事です。
ちなみに、虐待案件と思われる事案を知りえたら、通報しましょう。これは義務でもあります。裏切りでも何でもありません。断固として実施してください。このような英断に至った人物を称賛します。
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